2008年01月28日

大阪府知事選、橋下徹新知事、誕生、多難な船出

 圧倒的な強さをもって、大阪府知事に、橋下徹氏が当選した。新知事の誕生である。当然といえば、当然の結果である。明らかに、知名度の問題である。宮崎県でも、そうであったし、今回の橋下新知事でも実証された。既存の政治家に対して、仮にそこに、専門の知識があったとしても、民意は、それに価値を置いていないことが実証されたのである。逆に言えば、官僚的に見える人は、そこに、利権誘導がない場合には、NOという民意が下されることになるのである。宮崎の東国原知事や、大阪の橋下新知事のような、実直さが評価される時代なのである。その感覚で、小泉元首相や安部前首相も、支持を得られたのである。いわゆる、ポピュリズムに近い洗脳が幅を利かせるのである。なぜなら、大衆には、その裏についている官僚や組織のエゴを隠す効果など分からないからである。いわゆる、傀儡政権的な要素を持つのである。東国原知事にしても、橋下新知事にしても、県単位の行政を動かすには、多くの人が関わるからである。議会、政党、役所、商工会議所、各関連団体、都道府県に付随する市町村の行政府、それぞれが、それぞれの利権を要求しだすからである。結局は、橋下新知事のバックに、それを推し進める参謀やそれを支持する組織がないからである。かつての横山ノック知事や東京都の青島知事や長野県の田中知事のように、なるのは、必定なのである。すべてを、NOといったら、機能が麻痺するのである。

 役所の仕事は、誰がやってもできるのである。だから、逆に誰もが出来なくする必要があるのである。行政の末端まで、その考え方がこびりついているのである。なぜなら、誰がやってもできることなら、役人は要らないからである。誰もができなくし、複雑化する、それが役所の仕事なのである。役所の専門用語、役所の書類のスタイル、一言でおわることを、一ページにわたって、述べるのである。非効率なのである。そう、役所とは、そういうものなのである。たまねぎのように、一皮、一皮、むいて、諭して、改革していても、最後に到着した残った芯をみて、唖然とするのである。何もないからである。そのとき、時間の浪費を感じ、空しさを感じるのである。正しく、ざるなのである。ざるで、水をくみ出す作業なのである。たぶん、橋下新知事は、行政の内部に入って、その有様を外部から見るのでなく、内部として実感するはずである。その矛盾に苛立ちを覚えるはずである。改革していきたい、しかし、できない、物言わぬ不可解な組織、中核を持たない、役人の集合体を前にして、ある程度の妥協を認めざるをえないのである。諦めに似た空しさを感じるはずである。

 そう、大阪府には、政令指定都市の大阪市と堺市が、厳然と存在し、結局、橋下新知事は、大阪市や堺市の内部に、口を挟めないからである。他の都道府県と大阪が決定的に違うのは、大阪府よりも、権限の強い、市民直轄の日本で一番大きい政令指定都市大阪市が、内包されているからである。だから、大阪府知事に、出来ることは、あまりないのである。大阪府にあるのは、巨大な借金なのである。もうすでに、夕張市と同じように、破綻しているのである。



 たぶん、大阪市も大阪府も、役人天国なのである。これだけの財政を破綻させたのである。それは、役人が仕事をしていないからなのである。楽して仕事をする。細かい審査をすることなく、めくら判を押していたからである。自分の仕事、それを奪われるのを恐れるから、あえて、複雑化し、訳が分からないようにするのである。しかし、それにメスをいれたら、役人という集合体は、抵抗する。それが、役人というN数をもった不特定多数の力だからである。橋下新知事、一人では無理である。それを支える議会もまた、複雑な利権で絡み合っている。利権とエゴとで、がちんがちんに、結晶化し、硬直しているのである。それを溶かすには、エネルギーが必要なのである。橋下新知事だけのエネルギーでそれが変化するとは思えないのである。

 大阪を元気にする。私も大阪に住んでいるので、がんばってもらいたい。しかし、大阪府、大阪市、堺市といった二元行政府体制は、無駄を生じるのである。逆にいえば、大阪府は要らないのである。大阪府に関して、大阪市以外の以北や以東をひとつの政令指定都市とし、堺市以南をひとつの政令指定都市として、まとめて、大阪府をなくしたほうが、逆に大阪が活性化するはずなのである。東京には、東京市はないのである。23区特別区がひとつの塊にはならないのである。すべてを東京都知事が管轄しているのである。大阪府知事と大阪市長どちらが、権限があるかといえば、大阪市長の方が大阪の中心部を支配している大阪市地域に対しては、強いのである。大阪府にも、議員がいる。府議会がある。府の庁舎がある。大阪府立大学がある。そう、まったく同じように、大阪市にも、議員がいて、市議会があり、市の庁舎があり、あまつさえ、大阪市立大学もあるのである。これが、大阪の矛盾であり、二重の非効率化構造になっているのである。



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